くみちゃんは、隣の家に住んでた少し年上のお兄ちゃんのやっちゃんのお姉さん。くみちゃんは高校を出て銀行に入ってカウンターの人気者だったと聞いたけど少年だったので、銀行に行く機会はなく、くみちゃんが働いている姿を見たことはなかった。やっちゃんのお母さんが家に来て「くみこ」が今度パーマを〇〇先生のところでかけるのよ、と母親に話していた。それからしばらくして、玄関に立っているくみちゃんの毛先はくるくるして、モデルのようにまぶしかった。
くみちゃんは、お母さんや
うちの母親が行っていた
電車で2駅先のパーマ屋で
ロングヘアにウエーブをかけた。
母の付き合いで何度かパーマ屋へ
行った事がある、ともかく臭いのと
時間が長く行きたくなかった。
帰りに漫画を買ってもうらうのに
つられて同行していた。
くみちゃんがパーマをかけた
数日後に母からパーマ屋へ
行くと伝えられた。
いつもならイヤでしょうがないのだけど
憧れのくみちゃんが
パーマをかけたお店
今回はいつもと違った。
何だかそわそわした。
くみちゃんはどうやって
パーマをかけたのだろう。
頭をスッポリ入れるおかまの
中に入ってくるくるパーマを
かけていたのかな。
勝手に想像していた。
お店の見習いらしき人が
オレンジジュースを
持って来てくれた。
一気に飲み干すと
トイレに行きたくなった。
トイレはお店の奥自宅のを借りた。
トイレに行く途中衝立があって
そこは普段見えない空間。
母がパーマ中2回くらい、姿が見えなくなりしばらくすると頭にタオルを巻いて席に帰ってくる。ここにいたのか。
頭を洗うスペース、首にピンクのクロスが巻かれお腹を上にして、仰向けに倒れている。顔にタオルがかかり、膝にはブランケット、頭をごしごし洗われているひとは、とてもリラックス、気持ちよさそう。初めて見た少年は格好に驚く。人には見られるのは、少し恥ずかしい。くみちゃんもここで横になって頭を洗ってもらったのかな。
しばらくその光景を見る。
寝ていたおばさんは、
シャワーの音が止まると
タオルで頭をくるまれ、
「おつかれさまでした」と
声が掛かり、イスに起こされる。
顔にかかったガーゼがはずされると
少し眠そうな感じのオバサン
こんにちは、寝てたのかな?
とても気持ちよさそう。
こども(私)に見られていたのが、
恥ずかしかったらしく
オバサンは照れ笑い。
確かに人に見られるのは
恥ずかしい、子供の好奇心
大変失礼しました(笑)
しばらくしてそこから立ち上がり
席を移動した。
鏡の前の席で
くるくるの髪をかわかすと
大仏(パーマ)頭が完成。(失礼)
しばらくすると母から
帰るよと声が掛かる。
頭を見ると同じく鎌倉大仏。
パンチパーマが正しいか、
くみちゃんのウエーブとは全然違う。
シャンプータイムが至福の時と
言うのを大人になって知った。
会社の同期の女子が
昨日美容院に行ったのと
別の同僚の子と話しているのが聞こえる。
「髪切ったばかりじゃん」
また切ったのと質問。
すると彼女は「シャンプー」
人に髪を洗ってもらうの大好き
めちゃめちゃ気持ちいいじゃん。
彼女はストレス解消に
「シャンプー」しに
美容室へ行くと話してた。
くみちゃんもストレス解消に
「シャンプー」しにパーマ屋へ
行っていたのかな。
この話を聞いた頃、新聞や雑誌に「シャンプー」にまつわる記事が掲載され読んだ。浅野ゆう子さん:「シャンプーは美容室でしかしないお姫様」理由はくせ毛のため、自身で髪のセットが難しいとか、確かにおひめさまです!。会社の『可愛い』同期が美容室の「シャンプー」について語っていたからでしょうか、遠い昔の記憶が今でも鮮明です。
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